Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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失敗した著作から学ぶ
近代の労働観他人の悪口をホームページに書き散らすのは下品かとは思ったが、他人の失敗から学ぶのも勉強のうち。最近読んだ失敗作2冊について手短にコメントしよう。
今村仁司,1998,『近代の労働観』岩波新書.

近代の労働観とは、今村にとっては「労働の喜び」論である。「労働の喜び」論とは、近代的な労働を通して、労働者は喜びを得られるとする議論である。このような議論は19世紀のフランスで盛んに喧伝されたらしい。今村は、いわば新書1冊を使って「労働の喜び」論を批判していく。労働そのものはつらく苦しい作業であり、労働を通して喜びがえられるように見える場合も、それは他者からの評価など労働そのものとは直接関係ないものによって得られる喜びであると。

こんな自明な問題に1冊も費やすなど無駄である。確かに労働に倫理的な価値を見出す議論は、近世や近代に入って多くうまれ、いまでも一定の力を持っていると思われるが、労働が「喜び」であるという話はあまり聞いたことがない。世論調査をしても、労働は喜びというよりは、つらく苦しい作業であり、うまくいったときに達成感や充実感を得られることはあるだろうが、そのプロセスは大変だったりつらかったりすることのほうが多いと答える人が圧倒的な多数であろう。別に今村先生に説教されなくても、多くの人が「労働の喜び」論など信じていないわけで、何のための本なのか理解できない。もしかしたら今村先生の周りには「労働の喜び」論を信じる人がたくさんいたということなのだろうか。いずれにせよ、問いは、問うに足る問題でなければならない。自分の周りだけでなく、学界や世論の状況を広く見渡して、問うべき問いを見定めたいものである。

働きすぎの時代次の失敗作。
森岡孝二,2005,『働きすぎの時代』岩波新書.
できのよい学生なら、これぐらいの卒論は書けるのではないだろうか。この本は、最近の日本人は働きすぎだということを、延々と事例やデータを交えて書いているようなのだ(途中で投げ出してしまったので後半については保証の限りではない)が、事例はほかの著書からの引用か、自分の個人的な体験、統計的なデータもほとんどは白書や他の著書からの転載である。そのため、データが古い。最新の政府統計は簡単にネットで調べられるのにそれすらしていない。統計リテラシーがないのか? これならノンフィクション作家やジャーナリストの書くもののほうが独自の取材がある分だけ読み応えがあるというものだ。基本的な主張にオリジナリティがなくても、自分で最新のデータを集めてそれをきちんと実証していれば、それなりに価値はある。また、データが古くても、それに既存の理論よりもシンプルで説明力の高い理論を持ってきて説明するなら、そのような研究にも価値はある。しかし、この本にはそのどちらもない。労働経済学者も社会学者と同じでいろいろな人がいるのね、という感じである。
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