Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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社会学というディシプリンを語ることの困難

社会学評論が届いたので、拾い読みしてみた。特集は「社会学教育の現代的変容」だったが、

野村一夫, 2008, 「社会学を伝えるメディアの刷新」『社会学評論』58(4):506-523.
が興味深かった。私は最近、「社会学とは何か」といった問題を深く考えていなかったし、深く考える必要もないと思っていたのだが、やはり教育する上では重要だということを再確認させてもらった。話が難しいのは、「社会学とは何か」を語るためには、社会学が経済学や心理学や哲学や歴史学や文学とはどう違うのかを語らなければならない、という点である。そのためには、当然、経済学、心理学, etc. について正しい知識を持たなければならない。これには膨大な知識を必要とする。こんなことに力を費やすぐらいなら、自分の研究を分かりやすく紹介したいというのが人情であろう。

野村が言うように、近年、社会学の周辺諸分野は社会学化している。カルチュラル・スタディーズがその筆頭だろうが、新制度派経済学や行動経済学のような動きも活発で、これらが社会学ではないとすれば、何が社会学なのかよくわからない状況なのである。おそらくこのような境界の曖昧化は隣接の諸分野でも起こっていることなので、社会学に固有の危機とは思えないが、私自身ももう一度考えてみる必要があるのだろう。

研究者としては、自分の研究が社会学なのか心理学なのかといった問題は重要ではなく、知りたいことを知れればいいのである。結果的にそれがどのような分野に分類されるかは本質的な問題とは思えない。しかし、授業を受ける学生の立場に立てば、「社会学」と名のつく授業を受ける以上、「社会学とは何か」を知りたいというのもまた人情であろう。

おそらく、現在の私の立場を前提にすれば、現実的かつ生産的な戦略は、私が正しいと信じる「社会学」を語ることであろう。あまりに広い分野に目配りしていると、研究している暇がないし、大学院教育にはむしろマイナスになる恐れすらある。社会学者のあいだにもかなり多様な社会学観があり、私とはかなり異なる考え方の人もたくさんいるだろう。そういう社会学者たちも納得するような目配りをしようとすると、何も言えなくなってしまう恐れがある。それなら偏っていても、とんがった議論をしたほうが生産的であろう。

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私の新しい論文が出ました。「インターネット検索と大学教育」(東京学芸大学国語国文学会『学芸国語国文学』第40号、2008年3月)という論文で、文学研究者の私にしては変わったテーマとも言えます。 ただ、情報学の論文というわけではなく、あくまで文学を扱う大学教
ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版 | 2008/04/08 7:39 AM
 

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