Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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Social Class and Workers' Rent, 1983-2001

Stephan L. Morgan and Zun Tang, 2007, "Social Class and Workers' Rent, 1983-2001," Research in Social Stratification and Mobility 25: 273-293.
米国では1970年代末ごろから所得格差が拡大傾向にあり、その原因についての研究の1つがこの論文。著者らによれば、所得拡大の原因は、下層の職種での rent destruction にあるという。 rent とは地代を元来意味するが、Sorensen によって、
完全均衡下での賃金 (P) と実際の賃金 (R) の差 (R-P)
という意味で用いられるようになった。超過利潤と訳されることもある。著者らによれば、相対的に賃金の低いマニュアルや下層のノンマニュアルでこの rent が減少したことが、所得格差を拡大したという。

問題はこの rent をどう測定するかなのだが、著者たちは、産業による賃金の格差を rent と見なしている。なぜなら、同一の職種で人的資本の程度などその他の要因が同じであるにもかかわらず、産業によって賃金が異なるとすれば、それは多くの利潤を労働者に分配している産業と、ギリギリの賃金しか支払えない産業があるからである。この産業間のバラつきが rent の大きさに比例すると考えるのである。rent = 産業間の賃金のばらつきは、時系列で減少傾向にあり、特に低階層で顕著であるというわけである。 産業に関する情報をうまく使っている点は面白いが、やはりなぜ rent destruction が起きているのか知りたいというのが多くの読者の感想であろう。

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