Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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読書ノート: 不安定な足場: スウェーデンで失業から抜け出すための「飛び石」としての臨時雇用
お勉強の論文。
Korpi, Tomes and Levin, Henrik, 2001, "Precarious Footing: Temporary Employment as a Stepping Stone out of Unemployment in Sweden, " Work, Employment & Society 15(1): 127-148.
失業者が失業から抜け出そうとしているとする。このとき終身雇用の職は見つからないが、臨時雇用の職ならば見つかったとしよう。臨時雇用の職についたほうがいいのか、それとも終身雇用の職が見つかるまで待ったほうがいいのだろうか。仮にその後の失業期間を最小化したいのならば、臨時雇用の職に就いたほうがよいというのが、著者たちの分析結果からの示唆である。著者たちは、1991年2月の時点で失業していた人々を対象として、1991-92年の間に何日間、失業、臨時雇用、終身雇用などについていたのかをまず調べる。そして1993-94年の間に何日間失業していたのか調べている。前者を説明変数、後者を被説明変数とし、年齢、性別、学歴などをコントロールしたうえで、前者の効果を推定している。つまり、1~2年前の従業上の地位が、その後の失業にどう影響するかを調べているわけである。それによれば、終身雇用のほうが臨時雇用よりも失業日数を減らす効果があるが、失業したままでいるよりは臨時雇用に就いたほうが失業日数を減らすことができる。終身雇用と臨時雇用の効果の差はそれほど大きくないので、終身雇用の職を待って失業を続けるよりは、臨時雇用に就いたほうがよいだろう。ただし、著者らは、臨時雇用から終身雇用への移動率も無職から終身雇用への移動率も調べていないので、ほんとうに "Stepping Stone"になっているのかどうかは不明である。
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