Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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「フリーター・イメージの変遷とジェンダー」を読む
 これも学部の実習の準備で読んだ論文。

三好小百合, 2007, 「フリーター・イメージの変遷とジェンダー」『日本文化論年報』10: 24-46.

ジェンダーとの関係でフリーター・イメージについて論じた論文。朝日新聞とAERAの雑誌記事を検索して、1987年以降「現在」まで(いったいいつまでなのかよくわからないが)、フリーターをキーワードにして検索し、ヒットした記事の内容を検討している。
最初は数も少なくポジティブに語られていたのが、バブル崩壊以降、記事の数も増え、だんだんネガティブな記述が増えるという議論は、前回検討した論文とほぼ同じである。

この論文の特徴はジェンダーに着目している点で、「男のフリーターは結婚できない」という議論はあるが、「女性フリーターは結婚できない」ではなく、女性フリーターは男性フリーターとは結婚できない(したがらない)」といった記事になるそうである。著者によれば、若い女性の間で専業主婦志望が強まってきている(という記事が2005年にある)という。

また、著者は、関西のK大学とR大学、そしてS女子大学で学生に質問紙調査もしており(これもいつ調査したのか書いてない)、男性フリーターと女性フリーターのイメージをそれぞれ尋ねている。答えは五択で「かっこいい」「うらやましい」「問題なし」「自立すべき」「その他」となっている。これは調査法の教科書に載っていそうな、悪い選択肢の例で、「フリーターはうらやましいが自立すべき」と思っている人は回答に困る。イメージを聞いているので、いちばん感覚的に近いものが回答されていると思われる。まとめると下の表1のようになる。

表1 学生に尋ねたフリーターイメージ 「自立すべき」の割合





男性フリーター 女性フリーター サンプル数
男子学生 36% 23% 141
女子学生(共学) 44% 35% 78
女子学生(女子大) 62% 28% 50





全般に男子フリーターのほうが、女子フリーターよりも厳しく評価されているのがわかる。また、男子学生よりも女子(共学)、女子(共学)よりも女子(女子大)のほうが男性フリーターに対して自立すべきだと考えている者の割合が高い。

 質問の仕方に問題があるので判断は留保すべきであるが、やはり思ったよりもフリーターに対する評価が肯定的である。もっと否定的に見られていると思っていたが、同世代なのでおじさんやおばさんよりも共感する部分が大きいのかもしれない。

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