Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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本、雑誌、学術的な名声
 Elisabeth S. Clemens, Walter W. Powell, Kris McIlwaine, Dina Okamoto, 1995, "Careers in Print: Books, Journals and Scholarly Reputations," American Journal of Sociology 101(2): 433-494.

1987年と1988年にAJSとASRに掲載された論文(90本)、および1988年と1989年にアメリカ社会学会の賞の候補としてノミネートされた本(80冊)をとりあげ、著者のその後のキャリアや生産性、被引用回数などを調べた研究。焦点のぼけた論文だが、細かなところでは結構意外で面白かった。社会学者の場合、論文と本という二つの発表媒体があり、そのどちらに研究成果を発表するかで、その後の読まれ方や評価が異なるという。日本とアメリカの大きな違いは、本の出版過程にある。米国の学術出版社でも、出版できるかどうかは編集者の意向や判断に大きく依存しているし、コネがあるほうが出版しやすい。ここまでは同じであるが、米国では、本であっても専門家の査読を受ける。出版企画の段階で一人の匿名(審査員は申請者の名前を知っているが申請者は審査員の名前を知らない single-blind)の審査員に審査され、原稿が出来上がったところでもう一度審査される。権威の高いある学術出版社では、まったく関係のない研究者の持ち込み原稿の場合、27/3640=0.7%が出版され、ある程度コネのある研究者の持込の場合、79/940=8.4%が出版されるという。編集者からの依頼原稿でも35/100=35% しか出版されない。もちろん出版社によって事情はさまざまであろうし、数字の数え方がはっきりしないので過剰に推定されている可能性はあるが、これに比べれば、日本での出版は「赤子の手をひねるよりもやさしい」であろう。日本の社会学者の間では東京大学出版会の威信が特に高いようであるが、いくら東大出版会でもここまでは厳しく審査されていないのではないだろうか。特に専門家の審査など日本では聞いたことがないので、日本の学術書のほうがいい加減な本が多いことは間違いあるまい。
 著者たちによると、本のほうが雑誌論文よりもエリート私立大学出身の著者が多いという。本は教授クラスの著者が最も多く書いているというのは日本と同じであるが、雑誌論文の主要な書き手はassistant professor クラスであるから、日本よりもやや平均的な地位が高い。AJSやASRで大学院生がFirst Author というケースはゼロ、second authorなどすべてふくめると、5,6%という結果であり、まったく状況が異なることがわかる。これは投稿者の分布が違うというだけでなく、学位論文を書いた後に投稿するのはアメリカでは普通のキャリアパターンだと聞いたこともある。女性が質的研究を好み、質的研究は本として出版されやすい点は日本と同じであると思う。参照のされ方を見ると、論文は社会学者にしか参照されないが、本は社会学者以外の研究者からも参照されている。論文のデータベースのない時代のことであるから、現在では、このような状況は多少変化している可能性がある。出版点数の多い研究者は、論文も書き、本も書く傾向があり、必ずしも両者の書き手は分裂しているわけではない。
 やはり、学術出版の状況の違いに驚いてしまった。本でも審査があることは知っていたが、こんなに厳しいとは思わなかった。この当時のAJS, ASRの投稿論文採択率は10数パーセントというから、論文のほうがやや載りやすいのである。こんなにハードルが高いならば、本の出版に挑戦してみる価値はある。





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 ひとつ前のエントリにも書いた通り、先週末は、関西社会学会の大会を見学した。一日目にひとつ面白い発表を聴くことができた他、二日目のシンポジウムは大変興味深く拝聴させていただいた。  後者については、登壇者の一人である太郎丸博先生がブログで雑感を記され
思考の種子 Une germe de la pensée | 2009/05/26 11:52 PM
 

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