Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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グラフィカル・モデリングとは?

 ハウツー本というよりは、数学的な原理原則にウェイトのある本なので、やや難しいというか興味のない部分もあるが、実際の分析の手順も書いてあり役に立つ本であった。特に条件付き独立の意味を確率論から説き起こして、多次元正規分布や多重クロス表にまで敷衍しているあたりは(ハウツーとはあまり関係ないが)勉強になった。

 グラフィカル・モデリングとは、パス解析風に変数間の関連を図解する統計手法といえる。古典的パス解析もグラフィカル・モデリングの一種と位置付けられる。宮川氏によれば、探索的な分析の手法である。変数間に因果関係を仮定してもいいし、しなくてもいい。潜在変数は使えないが、観測変数間の関係に関しては構造方程式モデル (SEM) よりも柔軟性が高いと感じた。例えば、X1, X2, ... X5という5つの連続変数間の関連を探索的に分析する場合、相関行列がしばしば計算されるが、相関行列は存外理解しにくいデータのプレゼン法で、私もあまり見ていてピンとこないことが多い。そこで、偏相関係数をとって、偏相関係数が「ある程度」大きければ、その2変数間には直接的な相関があるとみなし、そうでなければ直接的な相関がないとみなす。そして直接的な相関があれば、変数間に線を引いて図示する。これが、グラフィカル・モデリングの基本的な考え方である。多変数の相関構造の理解には、主成分分析が用いられることが多いが、主成分分析は抽象的で分かりにくいのに対して、グラフィカル・モデリングのほうが、直感的に理解しやすいように感じる。潜在変数を想定できる場合は、確かに因子分析や主成分分析は有効だが、そうでない場合もある。 SEM は、内生変数間の因果関係を明確に序列づける必要があるので、探索的に分析している場合や順序をつけるのが難しい場合には使いにくい。こういったケースではグラフィカル・モデリングの使い道があるように感じた。ただし、連続変数に関しては、多次元正規分布を仮定するので、やや現実離れ(正確にいえば社会学が扱うデータの実情には合わない)している。たしかに多次元正規分布を仮定すれば、変数間の交互作用効果は存在しないことになるので、かなりモデルは単純化される。

 グラフィカルモデリングには、大別して4種類ある。まず、変数が連続の場合と離散の場合で分類でき、さらに変数間に多少なりとも因果関係を想定する場合と、しない場合で分類できる。それゆえ、2×2=4 通りに分類できる。連続変数の場合は前述のように偏相関係数を計算する。SEM のように、特定の変数間の偏相関係数を0に固定して、その他のパラメータを推定することもできる(というか、そうするのが標準的な手続きのようである)。離散変数の場合は、階層的対数線形モデルを使っているだけである。対数線形モデルで、その他の変数でコントロールしたときに、2変数間の関係が条件付き独立かどうかを検討し、条件付き独立ならば図を書くときには線を引かず、そうでなければ線を引く。3変数の階層的対数線形モデルにおける対連関モデルと飽和モデルのどちらがあてはまりがよいのか、という発想は、グラフィカル・モデリングにはない。そこが物足りないのだが、探索的分析のレベルでは大きな問題ではないのかもしれない。 連鎖独立グラフ 特に図に書くときに対連関モデルと飽和モデルを区別して図示するのが難しいので、条件付き独立かどうかを基準にして線を引くというやり方は理にかなっているのかもしれない。

 私はまれに左図のような因果モデルをたてたくなることがあるのだが、そういうときにグラフィカル・モデリングは好都合だと感じた。この図では、単なる相関を仮定をする場合は、矢のない弧線で結び、因果関係を仮定する場合は、直線の矢印で結んである。線が直接つながっていない場合は、条件付き独立である(が、つながっていても矢の向きの関係で独立ではない場合もある)。ここで、X4 と X5, X6 と X7 のあいだには、単なる相関が仮定されている。これらは内生変数なので、SEMではこういうモデルはたてられないと思う(最近はできるのかもしれないが)。Rにもいくつかグラフィカル・モデリング用のパッケージがあるし、少し勉強すればすぐに使えそうである。

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コメント
from: nobady   2009/11/29 11:20 PM
図のような、モデルは、SEMで書けますよ。
逆にグラフィカルモデリングでは無理ですよ。
from: tarohmaru   2009/11/30 4:27 PM
ご教示ありがとうございます。その根拠となる文献を教えていただけるとうれしいのですが。
from: anonymous   2012/11/30 6:15 PM
グラフィカルモデルは無向グラフ(相関)についてのものです。→がある有向グラフ(条件付き確率・回帰)とは異なるものですので、グラフィカルモデルでは無理という表現になります。ベイジアンネットがグラフィカルモデルの有向グラフになりますので調べて見られてはいかがでしょう。
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