Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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独断と偏見で選ぶベスト学会発表:ソウル都市空間のシーン・マップ

今回は、数理社会学会に1日、都市社会学会に1日半出席したが、私が聞いた発表の中から独断と偏見で選ぶならば、

金永玎・張元皓「ソウル都市空間のシーン・マップ」第28回都市社会学会大会報告
がベストだ。金と張によれば、シーンのよさが都市/地域の経済発展につながるという。どういうメカニズムが想定されているのかは不明だが、シーンがよいとそれを見たがる人や、そのような環境を心地よいと思う人が集まってきて、それが経済発展につながるという理屈ならば容易に理解できる。シーンという概念も不明瞭なのだが、基本的には通行人などから見た、その地域の景観のようなものであろう。この場合の地域とは、日本で言えば、原宿とか難波のような、歩いて回れる程度の広さを想定しているような感じである。ここまではいたって平凡な議論なのだが、すごいのが、データの取り方である。ソウルの洞(トン)とよばる行政区画ごとにそれぞれのシーンを、伝統的か、エスニックか、グローバル化しているか、といった5つの次元で測定している。どうやってこのような測定を行ったのか、よくわからなかったのだが、どうもその地域にある店舗の種類や景観などを調べ上げているらしく、人海戦術が駆使されたと想像される。表示された地図を見る限り、ソウル地区内の洞の数は100をくだらなかったと思うし、ソウル中の店舗を見て回ったのかと思うと気が遠くなる。こうしてえられた洞のシーンの特徴を地図に塗り絵して記述したところで終わっている。

はっきりいってまだ完成度の低い研究なのだが、地域ごとに景観をいくつかの観点から測定してその地域の景観の特徴を調べるというやり方に可能性を感じた。地理学ではもしかしたらよく知られた方法なのかもしれないが、私にとっては新鮮だった。ビジュアルなデータをうまく分析する方法がいろいろと模索されているが、このような方法で地域の景観を調べるというのもいいのかもしれない。景観の内容分析のような感じである。

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