Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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「インターネットの社会学」といった卒論をどう指導するか?

今年の卒論のもう一つの感想は、漠然とインターネットやツイッターについて社会学的に研究したいという卒論も高い確率で失敗するということである。もちろんインターネットやツイッターの社会学的研究が失敗することを運命づけられているというわけではないが、うまくいった卒論にはたぶん一度も出会ったことがない。

 しかし、Sociological Abstracts でタイトルに internet or twitter or online or web を含む査読済み論文という条件で検索すると、2207件ヒットした(2012/2/4現在)。つまり、一般的に言ってインターネットに関連するような社会学の論文はかなりの規模で書かれているのは間違いなく、特におかしなテーマとは考えにくい。そこで具体的にどんな論文が書かれているのか知るために、上記の検索結果のうち7本の書誌情報を示したのが以下である(検索マシーンによって一番関連度が高いと判断されたもの)。

Fuchs, Christian. 2011. "Web 2.0, Prosumption, and Surveillance." Surveillance & Society 8(3):288-309 (http://search.proquest.com/docview/862596987?accountid=11929; http://www.surveillance-and-society.org).

Highfield, Tim, Lars Kirchhoff and Thomas Nicolai. 2011. "Challenges of Tracking Topical Discussion Networks Online." Social Science Computer Review 29(3):340-353 (http://search.proquest.com/docview/907929238?accountid=11929).

Hsu, Chien-leng and Han W. Park. 2011. "Sociology of Hyperlink Networks of Web 1.0, Web 2.0, and Twitter: A Case Study of South Korea." Social Science Computer Review 29(3):354-368 (http://search.proquest.com/docview/907929239?accountid=11929).

Hutchins, Brett. 2011. "The Acceleration of Media Sport Culture: Twitter, Telepresence and Online Messaging." Information, Communication & Society 14(2):237-257 (http://search.proquest.com/docview/881468378?accountid=11929).

Murthy, Dhiraj. 2010. "Muslim Punks Online: A Diasporic Pakistani Music Subculture on the Internet." South Asian Popular Culture 8(2):181-194 (http://search.proquest.com/docview/758123545?accountid=11929).

Sanderson, Jimmy and Pauline Hope Cheong. 2010. "Tweeting Prayers and Communicating Grief Over Michael Jackson Online." Bulletin of Science, Technology and Society 30(5):328-340 (http://search.proquest.com/docview/758124609?accountid=11929).

Yardi, Sarita and Danah Boyd. 2010. "Dynamic Debates: An Analysis of Group Polarization Over Time on Twitter." Bulletin of Science, Technology and Society 30(5):316-327 (http://search.proquest.com/docview/758123441?accountid=11929).

これらを見ると、WEBそのものというよりも、マイノリティ・グループのほうにかなり興味を持っていると思われるものや、WEB上のコミュニケーションの特徴を調べようとしたものが目に付く。上記の検索結果を一番最近出版されたものに限定してみると、オンライン・ゲーム上の人間関係と、そのゲームのプレーヤーがオフラインで持っている人間関係について研究しているようなものもいくつか出てきた。

次に Cinii で「インターネット」と「社会学」で検索すると、127件ヒットした。最新の7本の論文は以下の表のとおりである。政治や民主主義との関連を研究するものが目新しいほかは、あまり英語圏との違いは感じられない。

著者名

論文名

雑誌名

出版者名

出版日付

ページ

橋元 良明,中村 ,関谷 直也,小笠原 盛浩,山本 太郎,千葉 直子,間形 文彦,高橋 克巳,植田 広樹,平田 真一

インターネット利用の不安をめぐる10カ国比較調査

東京大学大学院情報学環情報学研究. 調査研究編

東京大学

2011-03-29

27

 

1-48

藤田 智博

インターネットと排外性の関連における文化差--日本・アメリカ比較調査の分析から

年報人間科学

大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室

2011

 

32

77-86

前田 至剛

インターネットを介した精神疾患を患う人々のセルフヘルプ--流動的な形態の活動を中心に

ソシオロジ

社会学研究会

2011-02

55

3

53-68

木下 和寛,小杉 太一郎,高山 宗透

インターネットへの傾斜深まる政治情報の発信 : ホームページ、ブログ、そしてツイッターへ

応用社会学研究

立教大学

2011

53

 

1-19

宮田 加久子

インターネット利用が政治参加に及ぼす効果 : 情報源と議論の場としてのインターネットの役割

情報通信学会誌

情報通信学会

2010-12-25

28

3

43-52

橋元 良明,中村 ,関谷 直也,小笠原 盛浩

インターネット利用に伴う被害と不安

東京大学大学院情報学環情報学研究. 調査研究編

東京大学

2010-03-30

26

 

27-80

高柳 寛樹

メディア産業における根幹技術の決定・採用過程と、それに働く「文化装置」に関する一考 : テレビとインターネットの事例を中心に

応用社会学研究

立教大学

2010-03-25

52

 

79-102

こういった先行研究をみるかぎり、やり方次第でいくらでもインターネット関連の研究は可能であるように思える。それにもかかわらず、卒論でしばしば失敗するのは、インターネット関連の概説書を読む以上のことを学生がやっていないということに起因すると思われる。それゆえ Cinii や社会学文献データベースの検索を強く指導する必要があろう。私自身は 3年生の実習の授業で Cinii の検索は教えるのだが、4年生になっても口をすっぱくして学術論文の検索をやらせ、その中から自分の関心にあった論文で、なおかつ真似できるようなものを選ばせる、というのが、漠然とインターネットをやりたがっている学生に対する処方箋ということになろうか。

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コメント
from: morihiko   2012/02/05 8:56 AM
BLOGOSとサブルポスとになりますが。
一般論ですが、論文というものは_樟發領案、仮説を検証する為の実験計画、実験(今回の場合はインターネットユーザを対象とした取材・アンケート等)、ぜ存碍覯未良床繊瞥為差検定等の統計的手法)、ゲ樟發箸離ャップの検証(仮説通りであったか、そうでなかった場合はどのように説明できるか、ι要に応じて追加実験、Г泙箸瓠△箸い辰燭箸海蹐任靴腓Δ。このプロセスをきちんと行動できていれば、OKではないでしょうか。欲張るなら学会誌への投稿による第三者審査、学会でのプレゼンテーションでしょうね。
※本来、行政も上記のプロセスを踏むべきなのです。が、政治家は票の獲得を最優先にするため上記のプロセスそのものをしらないか、知っていても統計、経済学等のベーススキルが無いため、投票率の高い世代に迎合した政策しか行えない。これが日本の地方議会から国政までい共通した課題でしょう。マスコミはもっと「知らない」でしょうから、課題として顕在化することもありません。
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