Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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直下の和書の英語版です。審査を通過するためにレフェリーのコメントに従って若干修正してあります。
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  • 阪大を去るにあたって: 社会学の危機と希望
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モデリング入門:質的・量的パースペクティブの理論的架橋

社会学におけるモデリングについての考え方を論じた教科書。章末には丁寧な要約とさらに読むべき参考書、練習問題が付いており、英語の教科書らしい作りになっている。モデルといえば、数理・計量社会学でよく用いられる言葉であるが、Britt は質的な方法と量的な方法の共通点と相補性を強調しており、モデルという考え方は量的な方法だけでなく質的な方法にも通底すると考えられている。C. C. Ragin (1987) や Mixed Method が高く評価されているあたりからも、 Britt の立ち位置は二つの方法を協働させようとするものであるのは明白である。モデルは、概念を特定し、概念間の関係を特定し、それらを、データとのフィッティングや解釈のしやすさ、予測力などといった複合的な基準から評価すべきだとのべられており、常識的な議論となっている。特定の数理モデルや計量モデルが詳しく紹介されているわけではなく、やや抽象的なレベルでモデリングについて考えるというところがこの本の特徴となっている。

もっともな内容だと思うので、この種の問題に興味のある人は読んだらいいと思うが、教科書としては、やはり具体的なモデルの徹底的な検討を通してこういうことは考えたほうがわかりやすいと思うので、授業で使いたいとは思わなかった。それは回帰分析でもいいし、初歩的な数理モデルでもいいと思うが、そういった具体的なモデルをいじりながら考えたほうが、よくわかるのではないかと私は思う。

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