Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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直下の和書の英語版です。審査を通過するためにレフェリーのコメントに従って若干修正してあります。
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独断と偏見で選ぶベスト数理社会学会報告賞「自営業者の職業経歴」

私はすべての報告を聞いたわけでもなく、専門的な見地からすべての報告のクオリティを評価する能力もないのだが、第53回数理社会学会大会で私が聞いた中でまったくの独断と偏見で選んだ報告は、

仲修平「自営業者の職業経歴」
だー!!! 客観的に論文のクォリティを比較すれば、ほかにいくらでもいい報告はあったのだが、自営業というテーマをきちんと扱っているというただ一点を評価してこの報告を選んだ。日本で非正規雇用と言えば、臨時雇用やアルバイトなどの雇われて働く人々をさすことが多いが、欧米で nonstandard employment とか irregular job とかいう場合、自営業者も含めて考えることもよくある。日本でもトラックの運転手や在宅のノンマニュアルなど形式的には自営業主でも実態は非正規雇用に近い人たちがいる。また、日本の場合は自営業者が一定の政治的な力を持っているせいである程度競争から保護された集団だとする説もあるけれども、この20年間の間に規制は緩和され、シャッター商店街も増えているとされており、自営業という仕事の性質をもう一度検討しなおす必要があるように思われる。

また、自営セクターは不況時に失業者を吸収し、雇用の場を提供する機能をかつて果たしていたともいわれる。それが非正規雇用に置き換えられてきたといわれるのだが、このあたりの変化をきちんと調べた研究も私はまだ見たことがない。さらに、韓国や台湾といった国々の雇用状況を考える場合、自営業は無視しえない重要性を持っており、アジア諸国の非正規雇用や雇用の流動性を包括的に扱う際に、自営と非正規雇用の共通性と差異をきちんと整理しておくことは非常に重要である。このように自営の研究は非常に重要なテーマなのだが、これを研究している人はほんのわずかであり、仲さんへの期待を込めて、ベスト報告に選びました。

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