Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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「AとBを比較しなさい」という問題の解答に私が期待するもの

試験の採点をしていて、同じ間違いが多発していたので、書いておく。本来なら授業でフィードバックすべきなのだが、今となってはもうできないので、せめてここに書いておく。

「A と B を比較しなさい」という問題に対する解答に私が期待するのは、A と B の共通性と差異の両方を指摘することである。例えば、

日本の階層構造について韓国と比較しながら論じなさい
という問題に対して、両者の違いだけを書くというのは、模範的な解答とはいえない。類似点、共通点も書いてほしい。例えば、
職種の重要性が低く、勤め先の規模が重要視されるという点では日韓の階層構造は似ているが、韓国では学歴の重要性が特に高く、大学院への進学や英米の大学への進学が重要な意味を持つのに対して、日本では韓国ほどに学歴が重視されているとはいえない
という具合に解答してほしい。もちろん出題者の意図はさまざまだろうから、私とは違った意図で出題・採点する出題者もいるだろう。

日本語の「比較」に対応する英単語は、普通 "compare" だが、compare には「匹敵する」とか「同等である」といった意味もあり、類似性を強調する概念である。一方、 contrast は「比較」に近い概念であるが、通常は「対比する」とか「対照する」といった訳語が当てられる。これは contrast は複数の対象の違いを強調するときに使う語だからであろう。つまり、「比較」すれば相違が問題になるが、類似点や共通点も必ず問題になるはずなのである。

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