Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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「科学への攻撃? メディア利用・科学者への信頼・地球温暖化の認識」 Hmielowski et. al 2014

Jay D. Hmielowski, Lauren Feldman, Teresa A. Myers, Anthony Leiserowitz and Edward Maibach, 2014, "An attack on science? Media use, trust in scientists, and perceptions of global warming," Public Understanding of Science, Vol.23 No.7, pp.866-883.

「保守系メディアの利用 → 科学者への信頼の低下 → 地球温暖化の否定」という因果関係を主張した論文。Hmielowski らによれば、米国の保守派は地球温暖化対策に消極的で、地球が温暖化しているという証拠はない、と強弁している。このような認識の形成には保守系のメディア (Fox News と The Rush Limbow show が指標として用いられている)が影響を与えているという。これらのメディアでは、地球温暖化を主張する科学者の主張の歪曲と批判がさかんに行われており、それが科学者への信頼を損ない、地球温暖化対策の不支持へとつながっているという。逆にその他の非保守系メディアは科学者の批判など特に行っていないので、科学者の活動と現在の危機的な状況を広く知らしめることで科学者への信頼と地球温暖化の認識を醸成するのに役立っているという。

Knowledge Networks (調査会社か?) が持つ全米を代表するオンラインモニターからサンプルを抽出し 2008 年と 2011 年に実査を行ったパネルデータである。固定効果モデルとラグモデル(一時点前の科学者への信頼で地球温暖化の認識を説明するモデル)で分析を行った結果、保守系メディアへの接触は科学者への不信を媒介して地球温暖化の否定へとつながっているという間接効果が示されているものの、直接効果のほうがずっと大きい(固定効果モデルで 17 倍、ラグモデルで 7倍ぐらい)という結果であった。

Hmielowski らは間接効果を強調しているが、直接効果のほうがずっと大きいので、やや無理がある。当たり前といえば当たり前の結果である。日本でも産経新聞のような保守系メディアは存在するが、産経新聞が地球温暖化に否定的という話は聞いたことがない。日本だと歴史修正主義とか集団的自衛権とかがこの図式にはまるのだろう。

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