Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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相続と不平等:理論的探究と経験的証拠
2005/2/7 担当:長松奈美江

Szydlik, Marc, 2004,
"Inheritance and Inequality: theoretical reasoning and Empirical Evidence",
European Sociological Review, 20(1): 31-45.

Introduction

相続の3つの側面
 1) 相続は世代間の関係性に影響を及ぼす
 2) 相続、遺贈は幅広い経済的帰結を生む(ビジネスの継承など)
 3) 相続は、現在と将来の社会的不平等に大きな影響を及ぼし続ける

しかし、相続の問題はこれまであまり研究されてこなかった ← データ制約上の問題
この論文の問い=どの程度まで、社会的不平等は相続によって再生産され、増加させられるのか?(p. 32)
社会階層の3つの次元(regime, gender, social class)に注目

A Theoretical Model of Intergenerational Solidarity (世代間の連帯の理論モデル)

Figure 1
□連帯の3つの次元
 1) functional、2) affectual、3) associational
□連帯の4つのconditional factors
 1) opportunity structure
 2) need structure
 3) family structure … 社会化、family norm
 4) cultural-contextual structures … 社会、経済、税金システムなど

Data

The German Ageing Survey (1996)
 サンプル=4034人(40-85歳)、1/3がEast Germany、2/3がWest
 質問項目=自分やパートナーが相続を受けたか(過去+将来)、誰から/どのくらい(金額)

Empirical Analyses

Figure 2
71%が両親から/37%が義理の両親から

Figure 3
回答者の55%が相続を受ける(12,800 eurosは全体の1/3、51,000 eurosは1/6)
ジェンダー差は顕著でないが、体制や学歴の差は、相続する額が多くなるほど顕著

Table 1(相続の可能性:過去/将来)& Table 2(相続の規模:過去/将来)
 Opportunity Structures (両親がまだ生きているか)
相続の可能性と規模の両方に影響、父親のほうが重要
 Need Structures (相続を必要としているか/潜在的な遺言者が助けを必要としているか)
□University卒は、より大きな可能性と規模の相続を受け取る(past & future)
□不動産所有者/相続の経験者/家庭での手伝いをする者の方が、将来のより大きな可能性と規模の相続を予測する(help, careは可能性のみ)
→ 経済的に恵まれた社会階級が、過去と将来におけるより大きな相続を受け取る
 Family Structure (キョウダイ/子どもの存在)
□3人以上のキョウダイがいる者は、より少ない可能性と規模の相続(past & future)
□子どもがいるほど、過去に相続を受けた可能性を持つ(将来には影響なし)
 Cultural-Contextual Structure
□ジェンダー差はほとんどない
□若い世代ほどより多くの相続の可能性を持つ(好況による可能性)
□東ドイツのほうが、より低い可能性と規模の相続
□東西ドイツの別々のモデル:同じようなパターンを示すが、classとageによる差異が西ドイツのほうが顕著

Conclusion

□相続は不利disadvantagesへの補償をもたらすことはなく、むしろ、親世代の社会的不平等は子世代の社会的不平等をもたらす。そしてこれは、東西両方のドイツでみられる傾向である
→ 相続は、社会的不平等における重要な要因
□東西ドイツの間の不平等は、近い将来は増加し続ける
□男女の間の相続の差はさらに平等になる(キョウダイ数の減少、価値観や態度の変化)

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