Theoretical Sociology

太郎丸博のブログです。研究ノートや雑感などを掲載しています。(このページは太郎丸が自主的に運営しています。京都大学の公式ページではありません。)
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「社会統合の失敗、アノミー/疎外、マイノリティへの態度」Srole 1956

Leo Srole, 1956, "Social integration and certain corollaries: An exploratory study," American sociological review, Vol.21 No.6, pp.709-716.
アノミーがマイノリティへの否定的な態度につながることを論じた論文。なぜアノミーがマイノリティへの否定的な態度につながるのか説明されていないのでロジックは不明だが、フーリガンやネオナチの若者などを見ていると、アノミーっぽく見えるので実感としてはわからなくもない。ここでいうアノミーとはほとんど社会からの疎外 (alienation) と同じ意味であり、互換的に用いられている。比較的最近の言葉でいえば、「この世界に自分の居場所がない」感覚に近そうである。 belongings という言葉もこの感覚をあらわすために用いられている。

データはマサチューセッツのスプリングフィールドで 1950年に集められたもので、公共交通機関の利用者から無作為に抽出されているが、米国生まれの白人のクリスチャンに限定されている (N = 401)。アノミーの尺度は Achterberg, et al. (2017) で用いられているものと同じであるが、5点尺度の五つの項目を単純に足し合わせるのではなく、「そう思う」を選んだ場合 1 、それ以外は 0 として足し合わせている。

分析の結果、社会経済的地位と権威主義的パーソナリティを統制しても、アノミーであるほどマイノリティへの態度が否定的になるという結果である(相関係数で .32〜.40)。おもしろかったのは逆に権威主義的パーソナリティは有意にならない点で、日本の最近の研究では権威主義のほうがよく取り上げられる気がするのだが、アノミー/疎外もけっこう重要なのかな、と思った。ただし、年齢や性別、本人学歴のように普通なら統制される変数が統制されていないので、注意が必要だろう。

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